電子辞書、便利です。語学学習に欠かせません。
かつて紙の辞書を使っていた世代ですから、そのありがたみは身にしみて感じているところ。
カシオの電子辞書EX-wordを愛用して数十年。
最近、新しいものを買いました。3台めです。
ドイツ語系の辞書をよく使うので、いつもドイツ語モデルを購入しています。
3台の感想をまとめます。
1台め XD-H7100(2004年モデル?)
1台めは手元にないのですがXD-H7100、たぶん2000年代前半モデルです。
全体的にシルバーっぽい外観でした。
キーが固い
非常に操作性が悪く、力強く押し込まないと認識してくれない。一字一字確認しながら打たなければならず、たいへんにもどかしい機種でした。
紙の辞書よりは早く引けるけど……という感じ。
しかし、なにせ初めての電子辞書だったので、「そんなものなのかな」と思って使っていました。
電子辞書そのものが画期的
そもそもドイツ語はもとより国語辞典や英語の辞典など、多数の辞書が手元の小さな機械一台に収まっていること自体が画期的でした!
紙の辞書だったら、あっちこっちから重い辞書を引っ張り出して、広げまくって調べなければならないところですが、電子辞書ならボタンをポチポチ押すだけで単語がピョ~ンと出てくる!
国語辞典は『広辞苑』、英和辞典は『リーダーズ』
国語辞典は辞書の権威、岩波書店の『広辞苑』。
英和辞典は専門家からの評価が高い『リーダーズ英和辞典』と『リーダーズ・プラス』。
研究者や翻訳者には必須の辞書と言われます。
一般的に最も知名度のある辞書を選んだという感じ。
ドイツ語辞典は何が入っていたっけ?
肝心のドイツ語辞典に関しては残念ながらうる覚え。
三省堂の『クラウン独和辞典』と『新コンサイス和独』が入っていたと思います。
2台め XD-GW7150(2007年度モデル)
操作性バツグン!
キーの操作性が1台めと比べて格段によくなっており、その進歩に驚きました。
軽くて正確。早打ちもでき、能率アップ!
ドイツ語コンテンツが充実。
ドイツ語モデルだけあってドイツ語辞書が充実!
独和・和独・独英・英独がひとつの辞書に収まって、「スキップ」機能を使いながら辞書間を移動できる優れもの。
小学館『独和大辞典』
この『独和大辞典』は現在一般的に使用される一冊型の独和辞典のなかでは最も語彙数が多く、優れもの。確か1台めには入っていなかった……はず。
三省堂『クラウン独和辞典』
三省堂『コンサイス和独辞典』
『オックスフォード独英/英独辞典』
国語辞典が『大辞泉』
国語辞典が『広辞苑』から『大辞泉』になっていて「ほ~」。
昔は権威があり普及している国語辞典といえば『広辞苑』でした。
でも語源的なところから出発する『広辞苑』より、よく使われる意味を重視する『大辞泉』のほうが使いやすい。
もっとも2007年モデルにしても現在も、国語系・一般系の機種には『広辞苑』が搭載されています。
英和辞典が『ジーニアス』
英和辞典にも変化がありました。
専門家からの評価は高いが学習には向かないと言われる『リーダーズ英和辞典』『リーダーズ・プラス』から、わかりやすい『ジーニアス英和大辞典』に変更となっていたのは納得。
こちらも英語系の機種には今でも『リーダーズ』が搭載されているようです。
15年愛用の後、接触不良に。ご苦労さま!
2台めくん、大変気に入って15年愛用していたのですが、寄る年波には勝てず、キーが接触不良気味になってしまいました。
とくによく使う母音キーの反応が悪くなったので3台めを購入。
ご苦労さまでした!
3台め XD-SX7100(2020年度モデル)
さて、3台め。
主要コンテンツ(独和・和独)は微変更
収録コンテンツのうち、主要辞書に関しては2台めとあまり変わりない印象。
『独和大辞典』は健在。独英・英独辞典に変更なし
語彙数の多い小学館の『独和大辞典』は健在。これが一番大事!
『オックスフォード独英・英独辞典』もそのままでした。
三省堂から三修社へ
しかし三省堂の『クラウン独和』・『新コンサイス和独』がなくなり、三修社の『アクセス独和』・『アクセス和独』に変わっていました。
個人的には、そこそこ語彙数もあり、使い勝手のいい『クラウン』のほうが、初心者向けに割り振った『アクセス』よりありがたかった。
『独和大辞典』は用例を見るために「用例」を選んで開かなければならないので、一手間かかるんですよね。かといって『アクセス』では語彙が足りない。
もっとも『クラウン独和』は良い辞書ですが、多くの人にとって『独和大辞典』があればいらないかも。
それを思い切って初学者が使いやすい『アクセス独和辞典』に入れ替えた意図はわかります。このモデルの購入者の多くは初中級者でしょうから。
しかし、ひとつしかない和独辞典は『新コンサイス和独』のほうがよかったのではないかなあ。
独独辞典がある!
ドイツ語系辞書での大きな変化は独独辞典の追加です。
『Duden Deutsches Universalwörterbuch』
これ、重いんですよね。2.5kgあります。電子辞書に入ってくれて助かりました。
タッチパネル式にはメリットとデメリット
3台めはタッチパネル式になっていて便利!
なところもあるのですが、これも良し悪しで、手で触ると画面が汚れるんですよね。
キーでも操作できればいいんですが、それができるものとできないものがある。
写真(↑)を見てください。新しい機種(写真右側の白い機種)はキーが少なくなっています。
つまり対応するキーがない操作を行うには画面に触らなければならないのです。
光の加減にもよりますが、指跡がついて見えづらくなり、しょっちゅう拭かないといけないんですよね。
ここは功罪相半ばするところ。
改善されていたところ
サブコンテンツ
「おまけ」的(?)なコンテンツがかなり増えていました。
TOEIC対策問題や、ボキャビル問題が充実していて、辞書で勉強できます。
旅行会話本が2台めには『英語自遊自在』『ドイツ語自遊自在』しかなかったのに、『ひとり歩きの会話集』16言語が入っていました。
「世界文学1000作品」などというものまであり、英文で読める!
そうなんですよね。
ゲーテの作品もグリム童話もニーチェも残念ながら英語でした。
辞典/モードキーの内容と配列
よく使う主要辞典は一番上の「辞典/モードキー」に入っているのですが、この選択および配列は改善されていました。
英独辞典や和英辞典もワンタッチで選択できるのがうれしい!
2台めくんにもコンテンツとして英独辞典も和英辞典もあったのですが、メニューから選択するか、お気に入りに登録し、そこから選択しなければならなかったので、一手間、二手間よけいにかかったのでした。
改悪されていたところ
操作性は致命的
以上、改善されている点も数多くあるのですが、致命的なのがキーの操作性です。
前モデルの接触不良が気になって新製品を買ったのに、その新しいモデルのキーの固いこと固いこと。
1台めほどではないけれど、しっかり押し込まなければならず、早打ちは不可能。
見た目が安っぽい
外観も問題です。
2007年モデルのほうが高級感があり、しっかりしていて、使っていて安心感がありました。
それに比べて新しいモデルは、見るからに安っぽくて見劣りがするし、実際の使用感も心もとない。とくに電池ブタはペラペラ。
ここを起点に開け閉めする構造なので、しょっちゅう手に触れるところです。毎度パクパクいって、そのうち割れてしまいそう。
多少軽量化されていますが、デメリットのほうが大きい。
反応が鈍い
消えている状態からスイッチONするとき、出てくるまでに時間がかかります。
2台めくんは、すぐにパッとついたのですが、3台めくんは微妙に鈍い。
毎度のことなのでイライラします。
パワーオフまでの時間を長く設定することもできますが(最長90分)、やはり節電のため適当なところで切れてほしいので数分で切れる設定にしています。
すると、消えてから、もう一度辞書を引くときに待たなければならない。
一方、いったんフタを閉じて開けた場合は、なぜかパッとつきます。
結論 まとめ
1台め(2000年前半モデル)はどんなに状態が良くても今は買いませんね。
2台め(XD-GW7150、2007年モデル)に文句はありません。その前後モデルで本体が金属質(実際はたぶんプラスチックだが金属のように見え重厚)の機種に関しては操作性がいいのではないかと推測します。2007年以降操作性劣化前のモデルで状態がよいものがあったら買いかも。
3台め(XD-SX7100、2020年モデル)は最新型のはずですが、基本的な使い勝手が悪い。本体が全体的に明らかなプラスチック調のものは操作性を確かめてから購入したほうがいいでしょう。
時代が下がるにつれ改善されている点は多々あるのですが、現行モデルのキーの硬さ、重さは致命的。
あちらを立てればこちらが立たず的なところもあるでしょう。
しか~し、操作性に関しては譲れない!
現状維持ならまだしも、劣化には納得がいきません。
操作性の良し悪しによって、学習や仕事の効率がえらく変わります。
カシオには「(主要コンテンツは確保してくれないと困るけど)サブコンテンツを多少削ってもいいからキーをなんとかしてくれ」と言いたい!
新品で購入しているのに、全キーが、使い倒した前モデルの接触不良キーよりひどいのですからお話しにならない。
独和・和独を主に使う場合は、2台めくん(XD-GW7150)を使い続けることになりそうです。
電子辞書を「辞書」として使う方には、古い型で状態のよいものをおすすめします。
あるいは再び使用感の優れたモデルが登場するのを待つか……。
最後まで読んでくださってありがとうございました。