本を読むのって時間がかかりますよね。
読みたい本はたくさんある。でも時間がな~い。
そんなあなたに速読のすすめです。
速読でぜんぶ読めるわけではない
速読というと、
- 目を速く動かす
- ページを速くめくる
- わからなくても戻らずに進む
など技術的な話がちまたに広まっているように思います。それは間違っていませんが、私はパラパラめくっただけで一冊まるごと理解できる超人的な能力は持っていません。
驚異的なスピードで読んで理解できる人、すごいと思います。
資料探しは速読
ライターという仕事柄、大量の書籍・文章を読まなければならないことがあります。
本を隅から隅まで読んでいたのでは、いくら時間があっても足りませんから、必要なところだけ読みます。
該当箇所(ページ数など)がわかっていれば、そこだけ読みます。
目次や見出しで見当がつけば、ある章や節だけ読めばよく、すぐに見つかります。
ピンポイントでわからない場合は、探さなければならないので、ある程度は読まなければいけません。
そして、なかには「この本」ということはわかっていても、どこに書いてあるか、まったくわからないこともあるんですよね。
その場合は端から端まで探さないといけません。
そこは速読です。
漢字とカタカナだけ見て、いわゆる「ななめ読み」。
本にもよりますが見開き2~3秒で、そこに求める情報があるかないかは、だいたいわかります。
なければ次のページへ。
何かありそう、または、おもしろそうだったら止まって読む。
なかったら飛ばす。
そんなことを繰り返しながら、肝心の情報を見つけたり見つけられなかったり……。
別の本に当たるか、なしで済ます。最悪、該当部カット。
はやく読んだほうがゆっくり読むより記憶に残る!?
意識的に速読・部分読みをするようになったのは、ライティングの仕事を始めてからですが、おもしろい発見がありました。
いちど読んだんだ本をふたたび読んでも、「こんな話、読んだっけ?」みたいなことがよくありませんか?
時間をかけて読んだのに、覚えていない。
ところが、速読した本は、かけた時間のわりに覚えている。むしろ、しっかりぜんぶ読んだ本より覚えているのです。ものすごい速度で読み飛ばしているにもかかわらず、どうしたことでしょうか。当初は、ものすごく不思議でした。
もちろん〈読まなかった〉部分は覚えていません。当然ですが。
ただ、読んだ部分に関しては、隅から隅まで読んだ場合より印象に残っているのです。
ライティングは、はじめにアウトプットありき
問題意識が話をつなげる
ライティングの仕事の場合、ただ速読するのではなく、アウトプットするための資料探しです。
ある一定の問題意識を持って、それに「ここは関係がある」「ここは関係ない」と選択しながら読んでいます。関係があるものだけ読むので、頭の中で話がつながる。
受動的に読むだけでは忘れる
端から読んだ本は、書かれているものを順番に読んでいるので、バラバラな情報が次から次に入ってきます。
著者は一定の意図があって、文章を構成しているのでしょうが、読者の興味関心は人それぞれ。おもしろいと思うところは違います。
おもしろいものも、おもしろくないものも一緒に読んでいると、おもしろくないところが印象に残らないだけでなく、メモでも取らない限り、面白いところも忘れてしまいがち。
「読む」という行為は受動的なものだと昔は思っていました。しかし、受動的に読んでいては実は身につかないものなのです。
ぜんぶ読まない
ライティングの仕事をはじめてから、仕事でなくても本の読み方が変わりました。
おもしろいところ、必要なところだけ読んで、終わり。
必要になったら、また改めて読むぐらいでいい。
つまらない、くだらないと思ったら、途中でやめて、別の本を読む。
限られた時間を有効に使って、多読する。
記憶に留めたければ、むしろ「ぜんぶ読まない」こと。
本に合わせて時間をかけるより、時間に合わせて本を読む!
もちろん!
小説やマンガなど、楽しむための本は速読していては味気ないですよね。
ただ情報を取りたい本の場合は、速く、部分的に読むことをおすすめします!
感想文のすすめ
もっとよいのはアウトプットすること。
興味・関心を持ったところをまとめてみる。感想文、意見文などを書く。
ツイッターやフェイスブック、ブログなどで発信すると、ほかの人からの反応ももらえて励みになります。
文章にまとめようとするにあたって、もう一度、確認したら、記憶がさらに整理されます。
読む時間を減らし、書く時間を増やす。
負担になるようなアウトプットはしないで、まずは短く。一言でもいいと思います。
部分読み+感想文執筆は、ぜんぶ読むのと同じか、むしろ、それより少ない時間で可能な上、情報の定着率は格段に上がります。
要は自分はこれを知りたいんだ~と情報を取りに行く姿勢ですね。来るものを受けているだけでは右から左へと抜けていってしまう。「使う」「再構成する」ぐらいの気持ちで取り組んで、はじめて記憶に残る。ライティングの仕事を通じて、強くそう思うようになりました。
倉山塾のすすめ
速読情報が意外と定着する体験について、いつか書こうと思っていたのですが、憲政史家・倉山満先生のメルマガ(2021年9月14日)にちょうど読書をテーマにした内容がありました。
「すべての本のすべての頁のすべての文字を読むなんて時間の無駄」
「問題意識」が大事!
本当にそう思います。
倉山塾に入ると毎日メルマガが届きます。
新聞やテレビなどでは伝えられない政治の裏、ニュースの読み方などを教えてくれます。
マスコミはおかしい。でも保守(呆守)論壇はもっとおかしい。本当はどうなっているの、日本?
と思っている方にはおすすめのコミュニティ。本を読む人が多いのも特徴です。
メインテーマは政治・歴史ですが、ときどきこういう一般的な知恵ネタもあるのでした。
倉山先生のベストセラーシリーズ最新作は『嘘だらけの池田勇人』
ついでに本のコマーシャル!
2021年9月に倉山満著『嘘だらけの池田勇人』が発売となりました。タイトルの「嘘だらけ」は扶桑社新書から刊行のシリーズ名であって、池田勇人がウソばかりついていたわけではありません。
むしろ、今の日本の礎を築いた戦後最高の宰相です。興味のある方は紹介記事へ。
最後まで読んでくださってありがとうございました。