「八百万の神々」といいますが、具体的にどんな神様がいらっしゃるのでしょうか?
七五三は終わりましたが、年始にはまた神社がにぎわいますね。
日本のあちこちに神社があるし、ときどきお参りもするけれど、じつは神様のこと、よくわかっていない。
でも、お願い事をするには、神様のこと、知っておいたほうがいいですよね。
そんな現代日本人には現代的なビジュアルガイドがおすすめです。
最初はちょっとバカにしていたんですが(ごめんなさい!)、インパクトのあるイラストに助けられて、けっこう覚えます。
日本人に無神論者はいない
よく「自分は無神論者だ」のように言う人がいますが、日本人の場合、まず「無神論者」はいません。
無神論者とは神様について、よ~~~く考え抜いた上で、「神はいない」と結論づけた人のことです。
日本人の多くは神について考えていない、ふだんは関心がないというだけなので、そういう人は「困ったときの神頼み」になりますし、それで自己嫌悪に陥ることもない。
本物の無神論者だったら、「改心」が必要ですから、簡単に神頼みできないはずです。
神様について知らない現代人
かくいう私、朝晩、手を合わせてはいるのですが、「神様仏様……」みたいに、ぜんぶいっしょ。
なじみの神社名は知っていても、お祀りしている神様は……はて、どの方だろう?
神社によって祭神が違う
神社によってお祀りしている神様が違います。
祭神がどなたかは書かれているけれど、具体的にどんなキャラなのかは書かれていない場合があります。
神話の話と実際に信仰されている形態とが直接結びつかない神様もいます。
たとえば、うとまれて海に流された水蛭子神(ヒルコノカミ)がエビス神信仰と習合して福の神として大人気だったりとか。
神話を教わらない
個々の神様のいわれがわかったところで、そもそも多くの現代日本人は、神話も断片的にしか知らないのではないでしょうか。
家庭でも学校でも教わりません。
でも、超~有名な話は知っています。
たとえば:
「国造り」:伊邪那岐神(イザナギノカミ)・伊邪那美神(イザナミノカミ)が日本列島を創った話。
「岩戸隠れ」:天照大神(アマテラスオオミカミ)が岩戸に隠れて日の光がなくなってしまった話。
「八岐の大蛇(ヤマタノオロチ)」:素戔嗚命(スサノオノミコト)がヤマタノオロチを退治して、生贄になるはずだった櫛名田比売(クシナダヒメ)をお嫁さんにする話。
など。
どこで聞いたんでしょう? テレビなどで、見るとはなしに見てたのかも。謎です。
でも、知らない神話や神様もいっぱい。
神様に親しみがもてるビジュアルガイド
神話の元ネタは『古事記』・『日本書紀』ですが、原書は読みにくいですよね。
そこで、イラストつきの親しみやすい本がおすすめです。
『日本の神々完全ビジュアルガイド』(椙山林継監修、カンゼン、2010年)
出版社の名前がスゴイ!「株式会社カンゼン」です。
カンゼンによる「完全ビジュアルガイド」!
「すぎやま・しげつぐ」だそうです。ふつうスギは「杉」ですが「椙」という字もあるんですね。いちばん読みにくいのは「林」。たしかに林には木が茂ってます。
それはともかく、
各々の神々をイメージできるように、現代的なイラストがついています。
最初は子どもだましみたいに見えて抵抗があったけれど、確かに覚えやすいです。
複数のイラストレーターが描いているので、画風に統一性がありませんが、逆に一人でぜんぶ描いていたらキャラクターの描き分けが難しかったでしょう。
ちなみに表紙のイラストは真ん中が素戔嗚命(スサノオノミコト)、左が須勢理毘売命(スセリビメノミコト)、右が月読命(ツクヨミノミコト)です。
この三者の画風には違和感を覚えるほどの違いはありませんが、
思金神(オモイカネノカミ)とか大年神(オオトシノカミ)は、独特の画風がインパクトありすぎ。
いっぽう木花佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)のようなかわいいイラストもあります。
でも、同じイラストレーターがこんな絵も!
神様データ
各神々のページには、どんなご利益があるとか、祀られている神社について簡単にまとめられています。
「名高さ」「霊力」「ミステリアス」「自愛」「神話登場」を軸にパラメータ化されているのもおもしろい!
以下↓はスサノオノミコトの場合。
暴れん坊ですからね。
しかし、さすがスサノオノミコト、日本神話のスーパースター。
名高さ、霊力ともにマックス!
「完全ビジュアルガイド」は完全紹介!
『日本の神々完全ビジュアルガイド』では、宗像三女神(ムナカタサンジョシン)のようにセットの神様を一柱と数えても、100柱以上の神様が紹介されています。
主な神様はすべて紹介されていると言っていいのではないでしょうか。
衣通姫(ソトオシヒメ)とか、角杙神・活杙神(ツヌグイノカミ・イクグイノカミ)とか、はじめて聞く名前の神様もたくさんいらっしゃいました。
すでに詳しい方には物足りないかもしれませんが、入門書としては入りやすく覚えやすい一冊です。
地元の神社の神様は?
神様のいわれを理解してお参りしたら、ご利益マシマシかも!
最期まで読んでくださって、ありがとうございました。