倉山工房とは憲政史家・倉山満先生のライティングアシスタントチームです。
いわゆるライター。
どうやって倉山工房のライターになったのか、どんな仕事をしているのか、語ります。
ライターの仕事とは?
実は、私もいまだによくわかりません。
というのも、一口にライターといっても、働き方はさまざまだからです。
確実なのは、「writer(書く人)」であること。書くことを仕事にしている人です。
最近ではインターネット発信が盛んなので、Webライターが注目を集めているようです。
ウェブ上に記事を書く人ですが、これもまた仕事内容はさまざまで、すでに決まった内容を請け負って書く場合もあれば、自分の取材記事を書く人もいる。
写真や画像を用意し、レイアウトまで決めて納品する人もいれば、文章だけ書く人もいる。
世間一般の他のライターが具体的に何をしているかはわからないので、以下は自分の仕事について語っていきます。
倉山塾から倉山工房へ
私は、憲政史家・倉山満先生のアシスタントチーム倉山工房の一員として、主に本の出版に関わる仕事をしています。
そもそも、どうやってライターになったのか。そこに至るまでには、実は、長い道のりが……ということはなく、かなり短い道でした。
ただ、変則的です。
倉山工房ライターとなる前に、まず、倉山塾に入りました。
倉山塾とは?
マスコミに加えネット情報などが溢れ情報過多な今日、
「誰が本当のことを言っているかわからない」
と思いませんか。
自分が知識のない分野で、誰かが何かを言っていても、すぐには真偽を見分けることができません。
しかし、その人の言動を長く追っていると、節操なくコロコロ発言を変えていたりします。
そういう不誠実な人は信頼に値しません。
また、わからないなりに「この人の言っていることはおかしい」と思うことがあります。
そんな人はニセモノと疑ったほうがいいでしょう。
直観はワリと当たります。
多くの言論人の中で倉山満氏には一貫性がありました。
私自身、政治や歴史に詳しくないので、当初、政治的にマニアックな内容はまったく理解できませんでしたが、わかったことに関しては正しいと思いました。
そこで、わからないことをわかるようになるために倉山塾に入塾したのです。
倉山塾は、倉山満先生主催の政治塾です。
政治の塾といっても、先生方が硬い話をユーモアたっぷりに噛み砕いて話してくださいますので、笑いながら聞くことができ、初心者でも、わからないなりに楽しめる塾です。
下のような似顔絵を書く人もいます。
各地に塾コミュニティがあり、塾生はリアルに、あるいはオンラインで語り合って、切磋琢磨しています。
倉山塾は、目のこえた読者、政治のわかる国民を増やし、正しい知識を広めるべく日夜活動しています。
「倉山満」について知りたい方は、まず倉山満の砦(倉山満公式サイト)をお勧めします。同サイトから倉山塾へもアクセスできます。
塾生から工房員に
本会員になると塾内掲示板に書き込みができます。
そこでつらつらと思うところを書いていたら、倉山先生のお目に止まったらしく倉山工房へとスカウトされました。
私は、それ以前にライター経験も出版業界で働いたこともありません。
最初はわけがわかりませんでした。単純作業のお手伝いするだけかと思ったら、新人のうちから文章を書くことに!
今から思えば「知らぬが仏」。
こんなに大変だとわかっていたら、始めなかったかも。
とはいえ、今では、本づくりに携わることができてよかったと思っています。
自分が賛同する著者の本の制作に携われることは、大変にやりがいのある仕事です。
知らない世界へ飛び込んで、新しいことを始めるのは一苦労でしたが、なんとかすれば、なんとかなるものだということを学びました。
また、普通、自分の仕事内容について関係者以外の人に説明するのは難しいものですが、書籍制作の場合は「こんな本を作っています」の一言で済みます。
全国どこでも普通の書店で手に取れるものなので、友人知人にも、わかってもらいやすい。
倉山工房の世界
倉山工房は倉山満先生だけでなく、くららファミリーの先生方の本づくりにも携わります。
くららファミリーとは、インターネット配信番組チャネルくららのレギュラー出演者の方々です。
倉山先生以外には以下の本づくりのお手伝いをしました(刊行年月の新しい順)。
樋口恒春『日本の死角 なぜこの国の防衛基盤はかくも脆弱なのか』
ビジネス社、2023年
内藤陽介『誰もが知りたいQアノンの正体 みんな大好き陰謀論II』
ビジネス社、2021年
渡瀬裕哉『税金下げろ、規制をなくせ』
光文社新書、2020年
内藤陽介『みんな大好き陰謀論』
ビジネス社、2020年
宮脇淳子『皇帝たちの中国史』
徳間書店、2019年
本はどのように作られる?
制作方法はケース・バイ・ケース
書籍の制作方法は、著者により、出版社により、本により違います。
著者が一人で書く場合もあれば、ライターを使う場合もあります。また、そのライターがどの程度、関わるかもケース・バイ・ケースです。
ゴーストライターという言葉がありますが、これは有名な人が書いたことにして、文章はすべてライターが書いているイメージですね。
倉山工房では、そのケースはありません。
マンガ家をアシスタントが手伝うように、工房が著者の手伝いをします。
作業は分担しますが、構想や筋立ては著者が立案します。
企画や内容は著者が決め、たいてい口述筆記形式をとります。
具体的な作業
具体的には、以下が工房ライターの仕事です。
- 会議室などで取材を行い、著者がテーマについて話すのを録音する。
- 録音した音声を文字に書き起こして、まとめる。
簡単なように聞こえるかもしれませんが、なかなかに骨が折れます。
文字起こし
まず音声を文字に起こすだけでも、けっこう大変です。
しかし、これは単純作業ですから、がんばれば、いつかは終わります。
大変なのは、ここからです。
構成
しゃべり言葉のままでは本になりません。
出版に堪える文章にまとめなければいけません。
事実関係を確認するために調査したり、補足したり、難しい専門用語は注を入れたり、やさしくパラフレーズしたり。
この過程は、やればやるほどドツボにはまり、キリがありません。
調査した結果、何もわからないということもよくあります。
ぶっちゃけ、締め切りとの相談です。
そんなこんなで苦労して出来上がった原稿を著者に提出し、ライターの仕事の峠は越えます。
校正
その後は著者が確認・加筆・修正を行います。ここで原稿がガラッと変わってしまう場合もあります。大幅カットとなることも。
峠は越えたと言っても、まだ終わりではありません。原稿が組み上がると、出版社から校正原稿(ゲラ)が届きます。
著者およびアシスタント(ライター)がゲラの誤字脱字をチェックし、出版社に戻します。
たいてい2往復ぐらいですが、まれに3回ぐらい校正することもあります。
校正作業をすべて出版社が行い、工房が関わらないこともあります。
WEB記事執筆
書籍制作のアシスタントだけでなく、自ら記事を書く場合もあります。
この場合は、内容も自分で考えます。
私はドイツ・ヨーロッパ関連のテーマでWEBサイト「歴史チャネル」のコラム記事を5本ほど書きました。お読みいただければ幸いと存じます。
- イギリスの王朝、ウィンザー朝の前はハノーヴァー朝ではない?
- ドイツの2000年前~ドイツ史の曙はライン地方にあり!
- ドイツの「建前から出た真」~西ドイツ・東ドイツはなかった!?
- 【知っておきたい欧州文化史】魔女の祝宴「ヴァルプルギスの夜」
- スコットランド王はドイツ人!?ヨーロッパ中に広がる王位継承の網
最後までお読みくださり、ありがとうございました。