【ライティングアシスタントチーム倉山工房・編集協力担当が語る制作書籍紹介】
2023年3月、倉山満先生の新刊『これからの時代に生き残るための経済学』(PHP新書)発売!
経済を知らずに政治を語れません。
マクロ経済学の歴史的な流れをおさえ、金融・財政政策に不可欠な「常識」がわかる!
世界一わかりやすい経済学の本
本書は「世界一わかりやすい経済学の本」のつもりで書きました。エコノミストでもなんでもない私が書く本なのですから、難しい話はしません。安心してください。(「はじめに」より)
本書は「素人でもこれだけは知っておきたい経済の本」です。
経済学を真面目にやれば根拠は常に複雑でとらえどころがないのですが、結論を一言でまとめると簡単なことが多いのです。本書は、その簡単な一言の根拠を一通り説明している本だと理解してください。(「はじめに」より)
だから、政治を担う政治家はもちろん、国をよくしたいと願う一般国民にぜひ読んでいただきたい本。
倉山先生いわく「経済の本質を摑むだけなら、簡単」。
でも、その本質を簡単に教えてくれる人がなかなかいないので、先生が書いてくれました!
使えない経済ばかりはびこる日本
ガラパゴス経済学の国、ニッポン
失われた10年、20年、30年と言われ、日本経済の「何かがものすごくおかしい」ことは誰もが気づいていますが、何がおかしいのか、実はあまり知られていない。
そこを倉山先生がわかりやすく解説してくれます。
まず、我が国で主流とされる「経済学」がおかしい。
日本にまん延しているのは、前近代経済学=今となってはガラパゴス経済学。
ガラパゴス経済学の要点は、一言でまとめると:
「ここにパイがあります。どうやって分けますか」
前近代の経済学は、これでおしまい。
パイそのものを大きくしようという発想がない。
どうしてそういうことになっているのか、本書を読むとわかります。
トンデモ経済学:マル経
日本にまん延するもうひとつのトンデモ経済学が「マルクス主義けいざいがく(経済学の名に値しない)」
なお、「 」内は本文より。
もっと過激なのは、マルクス主義を
「世界中の政府を暴力革命で転覆し、地球上の金持ちを皆殺しにすれば、全人類は幸せになれる!」
というカルト宗教であると、一言でぶった切り。
倉山節炸裂!
本物の自由主義経済学を取り戻そう!
今の日本では自由主義経済学の祖アダム・スミスは忘れられ、ケインズは、ちょっとだいぶ誤解されている。
今こそ、まっとうな経済学に立ち戻ろう!
現代でも、世界的には本流(日本では傍流)の経済学は基本的にはアダム・スミスの流れを継いでいるのです。
そしてケインズ経済学はアダム・スミスと対立しない。
詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、倉山満先生はアダム・スミスとケインズは「基本と応用の関係」だと言います。
世界の反面教師・日本
「政治が経済にできるたった一つの事は、民間の邪魔をしないこと。言い換えれば民間が経済活動をしやすい環境を作ることだけだ。だから余計なことをしないのが、唯一最大の仕事だ」とは著者・倉山満の持論です。
そして、アダム・スミスの考え方でもある。
現代戦では、国家の基盤としての経済力の重要性は高まっています。第二次世界大戦を最後に、大国同士の直接の戦闘はありません。むしろかつての米ソ冷戦や今の米中対立のように、経済力を競い合うのが主流です。だから、国民経済を強くすることそのものが、大国間競争に勝ち抜く急所とすらなっているのですが。すなわち、経済が破綻すると、かつてのソ連のように、一戦も交えることなく滅びるのが、現代の大国間の生き残り競争なのですから、経済力の重要性は高まっています。平時から増税して、ギリギリの国民生活を求めるなど、〝自国に対する経済制裁〞以外の何物でもありません。(第二章より)
増税は国力を弱めます。
外交も防衛も経済なくしては成り立ちません。
本来の健全財政とは、「いざという時に使うために、普段は贅沢するな」なのです。ところが普段から「福祉国家」を名目に、分捕り合戦をやっているから官僚支配になるし、規制が強化されて、民の活力が生まれない。不景気になれば、さらにバラ蒔き、使うためには資金が必要として増税する。すると、民の活力がさらに弱まる。その悪循環が世界で最もひどいのが日本です。
他の国はそうなる前に何とかしています。その時の合言葉が「日本みたいになるな」(第三章より)
日本は今や世界の反面教師。
この不名誉な座を早く返上しましょう!
摩訶不思議な日銀理論
世にも不思議な「日銀理論」
本書『これからの時代に生き残るための経済学』では、日銀について、かなりの紙面を割いています。
歴代日銀総裁の所業と世にも不思議な「日銀理論」についてくわしく解説!
簡単にまとめると、日本の経済状況がどうあれ「利上げが正しく、利下げは悪」。
日本経済を救った人たちが悪者になり、日本経済をどん底に突き落とした人たちが崇められる摩訶不思議な世界。
現・黒田東彦総裁は例外中の例外で、日銀が「まとも」なのは、黒田総裁10年間の特殊現象なのでした!
日銀総裁が変わる!
2023年2月、日銀の次期総裁が植田和男氏と決まりました。4月に任期満了を迎える黒田東彦総裁の後継者です。
総理大臣や有名政治家の発言はメディアで大きく取り上げられますが、日本の行く末に大きな影響を与えるのが、財務省や日銀であることは知る人ぞ知る。
官僚の名前やその所業など、普通の人は知りません。
それでも今回はだいぶ騒がれたようです。
倉山満先生は一貫して、日銀や財務省人事の重要性を解き続けています。
倉山先生をはじめとする心ある人々の活動によって日銀人事の重要性が国民の間にも理解され始めているのかもしれません。
国民世論が政策に影響を与えた!
同2月には、国民の関心によって日銀の政策と日本経済の運命が変わるという珍しい局面が展開されました!
国会で植田次期日銀総裁の言質を取ったのです!
チャンネルくららは今後も植田日銀を監視し続けてくれます。
↑を見ても、よくわからないというあなた、本書を読んでいただければ「そういうことか!」と深く納得していただけると思います。
紹介番組
ケインズかアダム・スミスか二者択一ではない
天才アダム・スミス「分業こそが富を増やす」
環境ファシズムとは何か
KAZUYA Channel x チャンネルくらら コラボ動画
日本人のデフレ思考は江戸時代から続いている!?
元日本銀行審議委員・原田泰氏がコメントしてくださいました。
倉山満による関連テーマの著作
倉山満『検証 財務省の近現代史』(光文社新書)
2012年発刊、倉山満の初期作品。執筆活動の原点とも言える名著。
『嘘だらけの池田勇人』(扶桑社新書)
誤解を招きやすいタイトルですが、扶桑社新書「嘘だらけシリーズ」の一冊なので、こうなってしまいました。
日本を世界一豊かな国にした池田勇人を主人公にした本。
池田勇人が嘘つきと言っているのではなく、
池田についての一般的イメージが間違っているという本です。
日本が元気だった時代の秘密がここにあります。
『2時間でわかる政治経済のルール』(講談社+α新書)
倉山先生は大変に多作なので、よく「どの本から読んだらいいですか?」と聞かれるそうです。
そんな人に「まずこの本を読んでください」と勧められる本として書かれたのが、これ。
いわば倉山入門書なので、とくに倉山先生の本や言説になじみのない人におすすめ。
う~む、この本もタイトルはちょっと……。
2時間で読んで全部「わかった」という人は、この本を読まなくてもいい人でしょう。
これから倉山節に触れるという人は、もっとゆっくり読んでください。
倉山満の著作一覧はこちら!
最後まで読んでくださってありがとうございました。