【香水レビュー】
春らしい香りをお探しですか?
今回はライトな花の香りを紹介します。
Ralph Lauren、ロマンス
ラルフローレンのロマンス(Romance)は名前からして何かを期待させてくれます。
軽く控えめなので邪魔になりません。
さわやかに、でも、したたかに香ってくれます。
軽い香りのわりに持続性もある。
意外とやる気の出る香り。なにかしら気だるく元気がないときに、シュッと一吹きすると、気持ちが引き締まります。
トップ | バラ、カモミール、ジンジャー、レモン、フリージア |
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ミドル | ユリ、ロータス、スミレ、カーネーション |
ベース | ホワイトムスク、オークモス、パチョリ、ウッド |
ベースにオークモスやパチョリ、ウッド系香料が使われていますが、前面に出ていないので、言われないとわかりません。
しかし、軽やかなのに凛とした感じがするのは、隠し味のようになっているこれらの渋み香料が効いているのかもしれません。
Jo Malone、イングリッシュ ペア&フリージア コロン
ジョーマローン1番人気の軽やかで華やかな香りイングリッシュペアー&フリージ(English Pear & Freesia)はフルーティでフローラル。
ロマン派詩人ジョン・キーツの『秋に』にインスピレーションを受けた香りなのだとか。
作り手の意図としては秋の香りらしいのですが、春にもおすすめ。
トップ | ナシ、メロン |
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ミドル | フリージア、バラ |
ベース | ムスク、パチョリ、ルバーブ、アンバー |
トップは甘酸っぱい香り。
酸味の強いトップから、大きく変化してフローラルに落ち着きますが、時間がたってもツバが溜まってくるようなフルーツ系の香りが持続します。
コロンなので、軽い香り。しっかり香らせたい人にとっては物足りないかも。
逆にジョーマローンのコロンは「重ねづけも楽しめますよ」というコンセプトなので、そこを楽しみたい人には自分だけの香りをブレンドしてみては?
Maison Margiela、レプリカ レイジーサンデーモーニング
メゾン・マルジェラのレプリカ レイジーサンデーモーニング(Replica Lasy Sunday Morning)は、前項ジョーマローンのイングリッシュペアー&フリージアの甘さとを抑え、ムスキーにしたような香りです。
レイジーサンデーモーニングのほうが温かみがある感じ。
イングリッシュペアー&フリージアとレイジーサンデーモーニングは、トップの印象はかなり違いますが、しばらくすると、どちらかわからなくなるぐらい似ています。
どちらも軽やかなフローラルですが、華やかさを取るならイングリッシュペアー&フリージアを、控えめで落ち着いた香りが好みならレイジーサンデーモーニング!
レイジーサンデーモーニングは最初から最後まで落ち着いたフローラル。
ラストは淡く上品な残り香に。
トップ | アルデヒド、スズラン、ナシ |
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ミドル | バラ、アイリス、オレンジブロッサム |
ベース | ホワイトムスク、アンブレット、パチョリ |
L’Artisan Parfumeur、シャッセオパピオン
ラルチザンのシャッセオパピオン(La Chasse aux Papillons)のパピオンは「蝶」、シャッセは「追跡」。
花々の咲き乱れる季節に花から花へと飛び移る蝶々を追って走り回る子どものイメージでしょうか。
トップはフローラル。静かに控えめに香る花。
しばらくすると、地味な香りになります。でも、いい感じです。
どこかで嗅いだことがある。香水じゃない何か。何だろう? ものすごく、日常的な匂い。何日も悩んだ結果、閃きました。
紙だ!!! それも良質の紙。
新しい本の匂いが好きな人にはオススメです。
いつも新しい香りを購入すると、まず紙につけて、時間の経過による香りの変化をみるのですが、シャッセオパピオンは、すぐに消えてしまう印象がありました。
違う。消えていたんじゃない!
実は、香りは残っていたのに、私が勝手に紙の匂いだと思っていたのでした。
それがシャッセオパピオンの香りだったとは。
トップ | ベルガモット、ピンクペッパー |
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ミドル | オレンジブロッサム、チュベローズ、ジャスミン |
ベース | チュベローズ、イランイラン |
香料を見ても、なぜ「紙」になるのか、よくわかりませんが、落ち着いた知的な香りです。
Tocca、マヤ
シプレ・フローラルの香り
トッカのマヤ(Maya)はシプレ・フローラル。
もともとは1917年に発表された「ル シープル」という香水に由来します。
「ル シープル」の意味は「キプロス島」。
当時人気の観光・保養地だったらしいのです。
大人気となった香水「ル シープル」にちなんで、これに似た香りをシプレ調と呼ぶようになったのだとか。
ただし、シプレ調にかかせなかった香料がアレルギーを引き起こす性質であることがわかり、現代では使われなくなりました。
今でも手に入るシプレ調の古典的名香はゲランのミツコ(くわしくはこちら)。
昔のシプレは濃い~渋~い香りだったみたいです。
今のシプレは「モダンシプレ」などと呼ばれ、当時のシプレとは全然違う香りになっています。
(参考:新間美也『香水のゴールデンルール』)
安心感が集中力を生む
トップは、少し甘みのある、ほわっとしたお花の香り。
これと言えない、はっきりしない香りですが、そこがいい。
くつろぎの香りです。
トップ | ブラックカラント、オレンジ、ヴァイオレットリーフ |
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ミドル | ローズ、ジャスミン、アイリス |
ベース | パチョリ、オークモス、サンダルウッド、ムスク |
フルーツ味のお菓子のような甘さで始まり、お花畑のようになり、最後はウッディに落ち着きます。
安らぎの香りですが、これから寝たり、休憩するというよりは、落ち着いて何かじっくり考えたいときなどにおすすめ。
心が乱れていると集中できませんよね。
何をするにも、まず雑念を振り払って、落ち着くことが寛容!
「モダンシプレ」の「ほわ感」が、意外とやる気を引き出してくれるかも。
Thousand Colours、M2021ユーアーホープ
サウザンドカラーズのM2021ユーアーホープ(You Are Hope)は名前のとおり、希望を感じさせる楽天的な香り。
トップ | パイナップル、グリーンリーフ、アニス |
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ミドル | バイオレット、アイリス、ローズ、ジャスミン |
ベース | サンダルウッド、ムスク |
隠し味のアニスが絶妙
ローズやジャスミンをはじめ花々の香りがいっぱいのフローラルなのですが、M2021ユーアーホープを特徴づけているのは、たぶんアニス。
アニスそのものはそれほどいい香りとは思わないけれど、なぜか安心する香り。
天然香料なら、アロマ的には消化を助けるなどの効果があります。
アニスはちょっとシナモンに通じる微妙なスパイス系の香り。
もちろん、このM2021ユーアーホープでも、ローズほか花々の香りが前面に出ていて、アニスはあくまでも隠し味。
それでも、独特の落ち着きというか、「和」な感じというか、明るいだけではない、やんわりとした抑えのきいた香りなのです。
気になるブランド・サウザンドカラーズ
サウザンドカラーズは日本ブランド。
くわしくはこちらをどうぞ。
まだ多くを試していませんが、↑紹介のM1402サイプレスマスクは強烈に個性的な香りでしたし、気になるブランドです。
その他のおすすめフローラル香水
以下は本ブログ他記事で紹介している軽快なフローラル香水です。
春向きのライトフローラル
ディオール、ミスディオール ブルーミングブーケ
ミスディオールシリーズ一番人気。
くわしくはこちらをどうぞ。
フローリス ホワイトローズ
気品ある伝統の香り。
くわしくはこちらをどうぞ。
華麗でゴージャスな花花花の香水
ライトでなくていいから、たっぷりとお花を堪能したい方はジャン・パトゥのジョイやミル(1000)がおすすめです。
くわしくはこちらをどうぞ。
華麗でゴージャスな花花花のフレグランスです。
「香りをまといたいけれど、すぐに飽きてしまう」
「ボトルを使い切らない」
「香水は、まず試してみないと……」
という方には、カラリア 香りの定期便をお勧めいたします。
お好みのフレグランスを選んで少量だけ送ってもらうことができます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
少しでも香り選びの参考になれば幸いです。