【ライティングアシスタントチーム倉山工房・編集協力担当が語る制作書籍紹介】
巷(ちまた)に流れる陰謀論は多々ありますが、「それ本当?」と思いませんか?
今回は私が倉山工房でアシスタントを担当した本の中から、内藤陽介先生の『誰もが知りたいQアノンの正体 みんな大好き陰謀論II』(ビジネス社、2021年5月発売)をご紹介します。
Qアノンとは?
副題が「みんな大好き陰謀論II」となっているのは、前作『みんな大好き陰謀論』(関連記事はこちら)の続編だからです。
前作はユダヤ陰謀論が中心でしたが、今回は現代アメリカの陰謀論です。
最初はさまざまな陰謀論のコンピレーション・アルバム的な本を企画していたのですが、ちょうど企画進行中にQアノン支持者がアメリカの連邦議事堂に押し入って死者が出るような大事件が起こったりしたものですから、「Qアノンで行こう」という話になりました。
知る人ぞ知るQアノン、日本ではあまり認知度は高くないように思います。
友人に「Qアノンって知ってる?」と聞いてみましたが、ほとんどが「知らない」と答えました。
アメリカの連邦議事堂襲撃事件との関連で報道されたことから、名前は知っていると答えた人が数名いた程度です。
一般的には「何それ?」という感じのQアノンですが、現代アメリカを知る上で重要な社会現象です。
Qアノンとは、ざっくり言ってしまうと、アメリカのネトウヨの一種です。トランプ支持者というか、トランプ信者のような人たち。
実は顕著な実績をあげていたトランプ政権
実績あるトランプ政権
日本では終始キワモノ扱いだったトランプ大統領ですが、客観的に見ると、実は多くの実績を残しています。
内政的には税金を下げ、いきすぎたポリコレ(political correctness)に歯止めをかけ、外交的にも各地の紛争を解決したり、逆に強く出るべきところでは強く出て、アメリカのプレゼンスを高めました。
「いきすぎたポリコレ」によって、「メリークリスマス」はキリスト教徒の挨拶だから公の場では宗教的に無色透明な「ハッピーホリデーズ」といわなければならない、のような現代アメリカの状況が生まれていました。
これに対してトランプ大統領は「メリークリスマス」と言えるアメリカにしよう、と言ったのです。
マスメディアでは一面的な報道しかされないので、トランプに実績があると言われても「えっ、そうなの?」と思うかもしれませんが、そうなのです。
詳しくは本を読んでいただきたく。
きっとトランプ観が変わると思います。
トランプの政策、とくに減税については渡瀬裕哉先生の『税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋』(光文社新書、2020年)がオススメです!
最悪の終わり方
そんな実績あるトランプ政権ですが、政権最末期はいただけません。
「終わりよければすべてよし」なんですが、最悪の終わり方です。大統領選での敗北を認めず、「不正選挙だ~」と往生際の悪いことになりました。
これも「どっちの言い分が本当?」のように思っている人も多いのではないでしょうか。
政権交代をめぐる騒ぎ方が異常
アメリカでも日本でも、いろいろな人がいろいろに騒いでいましたが、その騒ぎ方が異常でした。
トンデモ情報が飛び交い、著名なジャーナリスト・言論人までが、それに振り回されているのか、デマとわかっていながら注目を集めるために煽っていたのか、信憑性のない情報を垂れ流していました。
日本のネトウヨの混乱は目を覆うものがありましたが、他国のことなので、実害は少なかったかもしれません。しかし、アメリカでは大事件です。Qアノンが熱狂的にトランプを支持し、トランプはまたそれを煽るような言動をし、最終的に死人まで出てしまいました。
いったいアメリカで何が起こっているのか、Qアノン現象とその背景を深堀りしたのが『誰もが知りたいQアノンの正体 みんな大好き陰謀論II』です。
現代アメリカを知るキーワードは「目覚めよ!」
自由の国アメリカ。
日本にいると、ハリウッド・スターや野球やバスケットの有名選手など、芸能界・スポーツ界のド派手なセレブ達が目につき、アメリカ合衆国とは、なんでもありのカオスな国のように思えますが、国の成り立ちは非常に宗教的で、実は敬虔な人々が多い国です。
そして、アメリカを動かす根っこのところにはキリスト教があります。
日本では宗教・宗派を意識することがあまりありませんが、「無宗教」を自称する人でも、神仏の観念は持っていて、「よく立ちションされるので鳥居を描いたら、されなくなった」のような話があります。
同様に、アメリカでもみんながみんな熱心に教会に通っているわけではないけれど、キリスト教的なキーワードで世の中が動くのです。
そのキーワードとは何か?
アメリカ人の心の奥底に潜んでいて、突然、社会的うねりを惹起する潜在的なスイッチとは?
「目覚めよ!」
何のことやらと思うでしょうが、詳しくはぜひ本を読んでいただきたく思います。
紹介動画
2021年5月18日配信「上念司チャンネル ニュースの虎側」は、上念司x内藤陽介「立て板に水」のお二人による小気味よいテンポで進む対談です。全編にわたって『誰もが知りたいQアノンの正体 みんな大好き陰謀論II』が紹介されています。
【チャンネルくらら】「なぜ米大統領選で陰謀論が流行ったのか?」(2021年6月10日配信)
「郵便学者・内藤陽介のブログ」もどうぞご覧ください。
記事を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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