これってウツかな? ウツって治らないのかな? ウツに悩んでいらっしゃる方、けっこういるのではないでしょうか?
今回はウツ克服経験を語ります。同じような悩みを抱えている方の助けになれば幸いです。
ウツはバカにならない
私がはじめてウツ症状になったとき、鬱(うつ)はそれほど世間に出回っている言葉ではありませんでした。だから、特に病気とは思わず、医者やセラピストにかかるという発想がありませんでした。
何かうまくいかないことがあると気分が落ち込む。それは普通のことなのですが、場合によっては生活に支障をきたすような大事になります。
食事がノドを通らない。眠れない。
食事が食べられなければ、どんどん痩せていきますし、栄養不足でめまいを起こしたりします。眠れなければ、勉強も、仕事も能率が下がります。
普通の生活ができない大変に困った状態です。
ウツは再発する
このウツ、最初は原因があるのですが、一度、ある程度重症のウツにかかると、その後は、これといった原因がなくても再発するようです。
私も十数年、それで毎年悩みました。「毎年」というのは、発生する季節が決まっているからです:11月と3月。
季節性のウツについては、日照時間が少ないことが原因であるという説をよく聞きます。そして、お決まりのように「北欧では冬にウツになる人が増える」と続く。
しかし、日本では夏冬の日照時間の差は少なく、太平洋側の東京では冬はむしろ毎日晴天が続きます。
しかも、最も寒い真冬の1~2月ではなく、11月と3月にウツ症状が出るというのはどういうわけなのか?
ちょっと、日照時間不足説は私の場合は成り立たないように思いました。
ウツ克服法
そんなとき、とある本に出会い、悩みが解消しました。
石原結實『「体を温める」と病気は必ず治るーー薬をいっさい使わない最善の内蔵強化法』(三笠書房、2003年)
温めれば治る病気の中にウツも入っていました。
「冷え」でウツになる? 日照時間ではなく、温度?
そう考えるといろいろと思い当たるフシがありました。
油断大敵「まだ寒くない」「もう寒くない」が怖い
真冬のほうが、11月や3月より外気温はたしかに寒いのですが、真冬は寒さ対策ができています。暖房で家の中は暖かくしているし、外に出るときも、暖かい服を着て出ます。
それに対して11月や3月は、「まだ寒くない」「もう寒くない」と油断しているのです。
11月、暖房器具はまだ出ていない。本格的に衣替えができていなくて、少々寒い日でも、わざわざ出すのが面倒。
3月、暖房器具はもう片付けてしまった。暑苦しい格好していてはみっともない。春らしい格好をしなくちゃ。
それで結局、体が一番冷えているのが11月と3月だったのです。
その後は、春や秋でも意識して体を温めるようにしました。
ウツが来る瞬間というのがあります。ヒタヒタとやってくるのがわかるのです。
「来た!」
それまでは対処方法を知らなかったので、そこからウツのドツボにはまってしまっていましたが、今は違います。
「ちょっと油断したかな。温め方が不十分なのかも」
と思って、一枚、何か羽織ります。または、暖房をつけます。
すると、ものの見事にウツがスーッと去っていく!
「ウソ!?」
最初はびっくりしました。冷えが原因と言われても、本当に温めるだけで完全に撃退できるとは思わなかったので。
それまでは、いつウツがやってくるかわからない。やってきても、どう対処していいかわからない。いつ引いてくれるのか。もう一生このままか。そう思っただけで、さらにウツがひどくなる。
そんなことを繰り返していたので、命が救われたような思いでした。
「こんな簡単なことなら……まったく、今までの苦労は何だったんだ!!!」
腹が立つぐらい簡単で拍子抜け。
それ以後、明らかな原因のないウツはやってこなくなりました。
コリからウツに!? クビや肩をほぐそう
でも、軽くウツっぽくなることはあります。運動不足のとき、ずっと同じ姿勢をとっていて体が固まっているとき。とくに早朝ですね。
ウツになったことがある方は、朝はや~く(4時ぐらい)に「ウツ」に起こされる感覚、わかっていただけると思います。これが軽いウツなら、クビを左右に動かすだけで、再び眠りにつくことができます。寝起きは体が固まっているので、それをほぐしてやると、ウツが去っていくのです。
昔は「また来た~」とますます固く縮こまって、そのまま眠れずに朝を迎えていましたが、あれは逆効果だったと反省しています。
目の不調がウツを呼ぶ!?
また、目の不調からウツになる場合もあるといいます。
平松類『患者が絶えないカリスマ眼科医がやっている失明しない習慣』(小学館、2020年)によると、「目の問題をかかえている人は、全身にさまざまな不調を感じている人が多い」そうです。不調のなかには「うつ状態」も入っています。
著者は、目と体の不調の因果関係にエビデンス(証拠)があるかというと、あまりないとしていますが、眼科医の経験論として、目の治療によって不調が治った人を多く見てきたとのこと。ご本人もその一人。
そういえば、私もウツがひどかったときは裸眼でがんばっていたような気がします。その後、近視が進んだので眼鏡をかける時間が増え、うつに陥る頻度が少なくなった気がします。
以上は、個人的経験ですので、誰でも温めたり、軽く動いたり、眼鏡をかけたりするだけで解決するとは限らないと思いますが、私と同じケースの人も大勢いると思うのです。その場合は本当に簡単に解決しますので、一人でも二人でも、お役に立てたらと思って書きました。
ウツのときにオススメの香り
今では重症のウツに悩まされることはありませんが、体調がよくないとき、仕事上のストレスを抱えているとき、軽いウツ、短期的ウツになることはあります。そんなときは「温める」「動く」に加えて、香りにも救われています。
軽いウツには、さっぱり系・華やか系で思いっきり明るい香りがいい。
とことん幸せな香りはランコムのトレゾアやアニックグタールのシェブルフイユ。気分がパアッと明るくなります。
その他、ゴージャスな花束を思わせるジャンパトゥのジョイ、上品に明るいディオールのミスディオール ブルーミングブーケもオススメ。
ただし、症状が重いときは、たいていのフレグランスを受け付けなくなります。普段は香り好きの私でも気持ち悪く感じます。
しかし、天然香料からなるオーデコロン4711だけは、そんなときでも使えます。似た系統の柑橘系フレグランス、アニックグタールのオーダドリアンもOK。
明るいトップの香りで気分がリフレッシュできる香りは多いですが、残り香は、ウツ状態のときには、あまり嗅ぎたくない系統のものが多い。それで、ウツのときは柑橘系フレグランスの持続力がないところも救いになります。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。