香水レビュー

歴史ある名香 オーデコロン4711

4711看板

オーデコロンはケルンの水

ナポレオンが好んだことでも有名な「オーデコロン」。その文字通りの意味は「ケルンの水」です。

本来はケルンで生産された特定の「水」だったはずですが、今では香水のグレード(内部リンク)になっています。

ケルンの夜景

Eau de Cologneはフランス語ですが、ナポレオンが名づけたわけではありません。当時、ヨーロッパの上流階級の共通語はフランス語で、外交語、通商語もフランス語であったためケルンの香水製作者がフランス語で名前をつけました。

ドイツ土産の定番「オーデコロン4711」にはドイツ語でECHT KÖLNISCH WASSER(真正ケルンの水)と書いてあります。ドイツ語がわからない人用にもその下には「ORIGINAL EAU DE COLOGNE(オリジナルのオーデコロン)」とあり、念を入れて本家を主張しています。


日本では英語読みで「フォー・セブン・イレブン」が通り名でしょうか。英語は「フォーセブン・イレブン」「フォーティセブン・イレブン」二通りの言い方があるようです。

ちなみにドイツでは「ジーベンウントフィアツィヒ・エルフ」、「47」「11」のドイツ語読みです。

本当の元祖はファリーナ

ところで、ナポレオンが愛用したのは実は4711ではないようです。

オーデコロンの老舗はジャン・マリア・ファリーナが1709年に創業したファリーナです。18世紀、ヨーロッパ中の王侯貴族に愛されました。

ファリーナ店舗

ライバルが現れるのはようやく18世紀末以降のこと。

ナポレオンし占領下におかれたケルンでは建物すべてに番号が振られました。そのとき4711番となった店もまた強力なライバルとなっていきます。こちらは、すでに1792年に創業していましたが、伝統のファリーナに比べれば、新しい店で、4711が香水名として定着するのは後の話です。

商標登録のない時代、競争もまた激しくなりました。

4711はファリーナの名をめぐって元祖ファリーナと争ったようです。結局、4711は負け、ファリーナの名を冠することはできませんでしたが、現代では4711が独り勝ちしています。

4711はドイツではその辺のドラッグストアで売っていて、どこでも買えます。私は毎日朝起きたらシュッとしていました。

それで、というわけでもないでしょうが、ドイツでは「おばあさんの香水」とのイメージです。ネットなどで、「おばあちゃんの香りとバカにしていたけど、けっこういい。見直した」のような若い人の口コミも見かけます。

一方のファリーナはケルンに今もお店がありますが、ドイツでも4711ほど普及していませんし、日本ではほとんど知られていません。

純柑橘系のユニセックスフレグランス

肝心の香りですが、4711は、もろ柑橘系です。柑橘系にはじまって柑橘系に終わる。柑橘系以外何も入っていないのではないかと思われるような香り。実際にはラベンダーやローズマリーなども入っていますが、柑橘類の引き立て役に徹しています。

ユニセックスな香りです。

一方のファリーナのほうは、フェミニンで「香水」の感じ。柑橘類色は薄めです。

ちなみに成分は:ベルガモット、レモン、ガルバナム、ジャスミン、スミレ、サンダルウッド、シダー、オリバナム(乳香)、ムスク。

ただ、どちらが好きかと言われると、4711に軍配を上げたく思います。

癖がなくて素朴。この香りが嫌いという人は柑橘類が嫌いな人でしょう。みかんやオレンジが嫌いな人って、あまりいませんよね。

これに対してファリーナは好みが分かれそうです。それに、日本では手に入りにくいようです。

ファリーナと検索して出てくるのはロジェガレのフレグランスです。


「ジャンマリファリナJEAN-MARIE FARINA」という製品群(オーデコロン、石鹸、シャワージェル)がロジェガレから出ています。

ジャン・マリ・ファリナとはヨハン・マリア・ファリーナつまり、ケルンで元祖オーデコロンを売り出した人の名前(のフランス語読み)です。

ファリーナ一族のマリア・ヨゼフ・ファリーナがフランス・パリに移住し1806年に「ジャンマリアファリナ・パリ」を設立します。それを1862年、アルモン・ロジェとシャルル・ガレが同年に創立したロジェガレが買収します。そんなわけで、ロジェガレもファリーナの元祖オーデコロンとつながっています。

ロジェガレは今でもナチュラルな香りづくりを社のコンセプトとしているようです。