秋から冬にかけて欲しくなる「暖」の香り。安心の香り:
ジバンシィ、ランテルディ(Givenchy, L’Interdit)。
ジバンシィ初のフレグランスであり、ロングセラー。
侯爵家の御曹司ユベール・タファン・ド・ジバンシィ
タファン・ド・ジバンシィ侯爵家はヴィネチアにルーツを持つ貴族。ブランド・ジバンシィの創設者ユベール・タファン・ド・ジバンシィ(1927~2018)はそこの御曹司でした。
しかも2メートルを超える長身の美青年。
ジバンシィは1952年に自身のブランドを立ち上げます。
ジバンシィとオードリー・ヘップバーン
ジバンシィはオードリー・ヘップバーンの衣装の多くをデザインしていることでも有名です。
二人が初めて顔を合わせたのはジバンシィの店でした。はじめはハリウッド女優が来るというのでキャサリン・ヘップバーンだと思っていたら、違っていて、がっかりしたそうです。
しかし、二人はすぐに意気投合。友情は生涯を通じて続きました。
オードリーが商品化を「禁止(ランテルディ)」した?
ジバンシィ初の香水ランテルディは1954年に女優オードリー・ヘップバーンのために創られました。
かつて、ヘップバーンがジバンシィにこの香水を商品化しないでほしいと言ったために「ランテルディ(禁止)」という名がつき、発売が1957年まで延びたのだと言われました。
しかし、後にジバンシィは、これはただの噂だと否定しています。
真偽はともかく、いまでもランテルディの名のいわれとして、語り継がれています。
発売後、オードリー・ヘップバーンはランテルディの広告モデルをつとめます。
香水のモデルを引き受けた最初のスターなのだとか。
大人気香水ランテルディ
ランテルディはフランスだけでなくイギリスやアメリカでも大人気でした。若きエリザベス女王やジャクリーヌ・ケネディも優雅な香りに夢中になりました。
トップ | ナシ、ベルガモット |
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ミドル | オレンジブロッサム、チュベローズ、ジャスミン |
ベース | パチュリ、バニラ、アンバー、ベチバー |
甘いけれども、なぜかすっきりした爽快感があるのは柑橘系が効いているのでしょうか。
参考文献『フランス香水伝説物語』
アンヌ・ダヴィス/ベルトラン・メヤ=スタブレ『フランス香水伝説物語』原書房
リニューアル
ランテルディは2018年にリニューアルされていますが、ホワイトフラワー(オレンジブロッサム、チュベローズ、ジャスミン)の華やかな香りとパチュリやベチバーの落ち着いたベースノートのコントラストを楽しむ香りである点は共通しています
極甘なのですが、シマりがあるのでフォーマルな場にも合いそうです。
強い持続力があり、紙や布につけたら2~3日はしっかり香っています。
似た香り1:レプリカ ビーチウォーク
やや似た香りがメゾンマルジェラのレプリカ ビーチウォーク。
ランテルディからウッディ(木)・アーシー(土)な香りを抜いたらビーチウォーク!(関連記事はこちら)
似た香り2:ロベルトカヴァリ、サーパンタイン
ロベルトカヴァリのサーパンタイン(Roberto Cavalli, Serpentine)も香料(↓)はだいぶ違うように見えますが、妖艶で刺激的な甘さという点でランテルディに似ています。
トップ | マンゴーブロッサム、マンダリンオレンジ、ガーデニア、アルテミシア |
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ミドル | プルメリア、ティアラフラワー、ブラックペパー、ヴァイオレットリーフ |
ベース | アンバー、トルーバルサム、サンダルウッド |
その他の極甘香水
ランテルディとはだいぶ趣が異なりますが、甘~くて冬に欲しくなる香りはショパールのウィッシュとカシミア。(関連記事はこちら)
ウィッシュはバニラの効いた軽めのオリエンタル。
カシミアはかぼちゃのお焦げ風味の重甘です。
なお、
「香りをまといたいけれど、すぐに飽きてしまう」
「ボトルを使い切らない」
「香水は、まず試してみないと……」
という方には、カラリア 香りの定期便をお勧めいたします。
お好みのフレグランスを選んで少量だけ送ってもらうことができます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
少しでも香り選びの参考になれば幸いです。