マリリン・モンローと5番
シャネルと言えば「5番」が最も有名です。香水について何も知らない人でもシャネルの5番だけは知っています。この記事もタイトルが19番なのに5番から語る。
マリリン・モンローの逸話は有名すぎますが、知らない人のために念のため。
記者 「ベッドでは何を身につけますか?」
マリリン 「シャネルの5番よ。うふ♡」

記者の質問に対する、色っぽくも機知に富んだマリリンの返しが、マリリンとともにシャネルの5番をいっそう有名にしました。
峰不二子と5番
峰不二子が5番を使用していることは知る人ぞ知る豆知識かも。1977年から始まった『ルパン三世』TV第二シリーズ(赤ジャケットのルパン)の第一話。
次元、五右衛門、不二子がルパンに呼ばれて船上に集合。
(たぶん)次元 「なんで俺たちを呼び出したんだ?」
ルパン 「呼んでねえ。俺も呼び出されたんだ」
ルパンは手紙を取り出して三人に見せます。それは、色っぽくルパンを誘う不二子からの手紙でした。
不二子 「そんなの信じたの?」
ルパン 「いんや。この手紙からは不二子ちゃんご愛用のシャネルの5番の香りがしねえもん」
記憶で再現しましたので、細かいところで間違っているかもしれませんが、だいたいこんな感じだったと思います。今だったらメールかSNSでしょうから、こういう会話は成り立ちませんね。
しかし、正直なところ、不二子の愛用香水が5番というのは、あまり納得できません。
5番は締まりがない感じ。マリリン・モンローのような柔らかいタイプの女性には似合うかもしれませんが、したたかな不二子はどうかなあ……。
ルパンの製作者はおそらく男性が多くて「香水といえばシャネルの5番」という安直な考えだったのではないでしょうか。
ロングセラーの名盤19番
ココ・シャネルの誕生日(8月19日)から名づけられた19番もロングセラーの人気香水です。
もともと「自分だけの香りを」とシャネルが望んで制作された香り。会社は定番である5番への悪影響を懸念して尻込みする中、シャネル本人は大胆に発表を決意。87歳の誕生日に19番が発売されました。シャネルは翌年に亡くなるので、生前最後の香水です。
「クラシカル」と言われますが、私はむしろ若々しく現代的な感じを受けます。
個人的にはモワッとした5番は苦手で、シュッとした19番が好きです。
「モワッ」とか「シュッ」じゃ、わからない~。
ですよね。
19番は、ガルバナム、ネロリ、ベルガモット、ジャスミン、ローズ、スズラン、アイリス、サンダルウッド、レザー、ムスクからなり、グリーン・フローラル系の香りです。
フローラル=花 はわかるけれど、グリーンって何?
草や樹木の香りです。たしかに草っぽい香りが強く感じられます。
シャネル19番は変化を楽しむ香り
シャネル19番は香りの変化がおもしろい香水です。
どの香水も変化します。トップ、ミドル、ラストという言い方もあります。
安物はえてしてトップの香りはいいのですがラストがダメです。気分が悪くなって二度と買わないということが多い。
高ければいいというものではありませんが、いいと思う香りはある程度高いです。特にラストの香りがいいものは。
そして、シャネル19番は、その香りの変化が著しく、ラストが素晴らしい。トップは「ザ・香水」ですが、そのうちお香のような渋さが出て、ラストは心地よい甘さが残ります。
ただし、以上の形容はオードパルファム(EDP)の場合。オードトワレ(EDT)は甘くならずに渋いままでした。EDPのラストの何ともいえないシャキッとしたままくつろげる感じが好きなので、以後ずっとEDPを使っています。
香りの変化は人それぞれなどで、実際にどうなるかはお試しいただくしかありません。
お店でちょっと試香しただけでは「臭い」「渋すぎ」と思うかもしれないけれど、ちょっと待った!
1~2時間、待ってみてください。それがあなたの19番です。
19番は大人の香り。ややライトなクリスタルが若向きかも
19番は30代以上の颯爽とした女性に似合いそう。
20代じゃ、ダメなんかい!
ダメじゃないです。若い女性がちょっと背伸びしたいときにまとってみるのもアリ。
なお、19番が濃すぎると思う人には、同じくシャネルの、ややライトなクリスタルがおすすめです。こちらも19番同様にフローラルグリーンで、甘さの少ない香りです。19番よりすっきりさっぱりしていて、若い人はこちらのほうが使いやすいかも。19番の妹分といったところです。Parfumはフランス語では男性名詞のようだから、弟分かな?
個人的には、お出かけ用のフレグランスとしてシャネル19番は欠かせません。シャキッと気が引き締まり、ほどよくリラックスできます。
ブログまぐのりあ、一押しのフレグランスはやっぱりシャネル。
でも、5番ではなく19番!
最後まで記事をお読みくださり、ありがとうございました。
なお、香りをまといたいけれど、すぐに飽きてしまう、ボトルを使い切らない、そのために高い香水を購入するのはちょっと……という方には、COLORIA 香りの定期便をお勧めいたします。お好みのフレグランスを選んで少量だけ送ってもらうことができます。